2024/03/08 21:31
主人公「美咲さん」の物語。
美咲さんの誕生日は3月8日。
その日は国際女性デー、
女性が自分らしく生きていく姿を応援する「ミモザ」のように
周りの人たちを明るくし、
自身の人生も美しく明るい花を咲かしてほしい…
そんな思いで名付けてもらった美咲のお話です。
「輝く女性への道」
⬛ 第一章: 迷いと不安
2024年、新しい年を迎えたころ、
美咲は人生に不安を感じていました。
他人の期待や社会の枠に縛られ、自分の本当の望みが見えない日々が続いていたのです。
「わたしは、なんでこの仕事をしているんだろう」
「何が楽しくて働いているのかなぁ…」
「自分の考えがまとまらなくなってきた…どうしよう」
幼い頃から
「美咲ちゃんは機転がきいて良い子ね」
「美咲がいると何でもスムーズに進んで心強いよ!」と誉められてきた為か自信に満ちていたはずが、常に上司や友人、家族の期待に応えようと必死になり、やることも多く疲れぎみになってきた様子、さらに
最近は自分自身はどうしたいのか気持ちが見えず、力が抜けて覇気がなくなってきていたのです。
美咲には街に流れる川の畔にある大好きなカフェがある。
夕暮れの土手を歩きながら、
胸がぎゅーと熱くなり、
とどまりたい衝動にかられ、
思わずそのカフェに飛び込んでいった。
マスターは夜空を見るのが好きで、建物の二階に突き出たテラスには天体望遠鏡があり、
満月🌕️の日には、
宇宙のお話をしてくれるのだ。
美咲を見るなり
「お帰り美咲ちゃん、今日は二階の特等席が空いているよ、良かったらどうぞ」と声をかけた。
キラキラと波打つ川と夜空が
見える特等席だ。
実は二階フロアーには
カフェだけでなく
話を聴き、香りを調合してくれる
調香師がいる。
美咲は調香師の香音さんに
自分の迷いを聴いて欲しかったんだと思い階段をあがった。
「香音さん、いつものデカフェお願いします。でね、ちょっと、わたし…お話聴いてほしいの」そういい、窓際に座りキラキラ光る水面を眺めた。
しばらくして、コーヒーをのみ一息つくと、身体はふわっと温かくなり、そこから香音さんに
今、何の意味があり働いているのか、何が楽しいのかわからないと話し始めた。
しばらく会話をすると
香音さんは
きれいな樹脂を取り出し
美咲の手においた。
「自分の内側に意識を
傾けると必要なものごとがみえてくるのよ」
美咲は香音さんに
アドバイスを求めた
「美咲さんがいう、あの人のために期待に応えたい、役に立ちたい、それを無視したら、自分の価値が下がる…という思いは、一旦横に置いてみて。」
「誰かの為にがんばれることは素晴らしく美しいわ。そんなあなたでも、時に自分を優先するあなたであっても、あなたは唯一無二の存在。でも今、自分を見失いそうと感じているし、とにかく周りの人たちにどう思われているかと不安になっているでしょ」
「私たちは皆、他者の価値観に合わせることも、誰かになろうとすることもないのよ」
「ゆったりと川と夜空をみながら、握るフランキンセンスの樹脂の香りを感じてみてね」
そういうと、香音は席を外した。
フランキンセンスは
クリスマスの時期に、マスターからも教えてもらったことがある。
イエスキリストの誕生の際、東方三賢人が捧げた、金、没薬、乳香から、キリストが選んだのが預言者の象徴である乳香(フランキンセンス)だった。というお話。
香音さんは
この神聖な樹脂に火をつけ
立ち上がる煙を見つめ
香りを嗅いでいると
「周りに惑わされることなく、自分の内側に意識を傾ける大切さがわかってくる」と言っていたのだ。
美咲は目を閉じ、しばらく川の音とともに、フランキンセンスを両手であわせ、香りを鼻もとで感じ続けていた。
帰り際
香音さんから
「しばらくこの香りをカードにつけては仰ぎ、自分と向き合ってみてね」と
【Universe10のNo.6 Venus】を準備してくれた。
フランキンセンスもブレンドされた青いエッセンシャルオイル。
「今日みた、夜空をうつした川の色ね」
明日は、またがんばれる🎵
そう思えた美咲だった。
次は
第二章: 新たな一歩